ITエンジニアが世代間格差を超えて円滑に仕事をするためには?

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世代間格差

いつの世にも世代間におけるギャップは悩ましい問題であり、「頭の固い古い考えの人間」と大人を軽蔑する若者と、「常識の欠けた奴らだ」と若者に呆れる大人との関係は、決して歩み寄りを見せることなく平行線を保ったまま、何十年か経った頃には、当時の若者たちが更に若い人たちに呆れかえり、軽蔑の眼差しを向けられる立場になっていくのです。

とりわけ、春先も終わりを告げ、初々しかった新入社員たちの緊張感が綻んでその実態が明らかになると、その「トンデモ行動」が様々なメディアで特集されるようになります。

「自発的ではない」「休日出勤や残業を嫌がる」「言葉遣いがなっていない」などは定番中の定番で、中には目を覆いたくなるような惨状ながらも、「あるある」とついつい共感してしまうような事例も良く見かけます。

しかし、大人たちの「自発的ではない」「休日出勤や残業を嫌がる」「言葉遣いがなっていない」などという嘆きを、「デジャヴ(既視感)」が起きたように感じてしまうのは、今現在「嘆く大人」の真っただ中にいる40代後半から50代の人たちが当時の大人たちを呆れさせてきた「新人類」と呼ばれる世代であった事実と無関係ではないでしょう。

 「最近の若い者は…」と嘆く大人たちもかつては、大人を呆れさせてきた「新人類」だった

戦後、焼け野原からの復興を担った世代は第一線を退き、その影響力は次第に小さくなりつつあります。現在、日本の屋台骨を支えるのは、その後の世代の人たちです。

彼らは、高度経済成長期にこの世に生を受け、日本経済が世界を席巻したバブル時代に若かりし日を過ごしています。それゆえか、これまでの大人たちとは異なった価値観を持ち、それを半ば揶揄するかのように大人たちは彼らを「新人類」と呼んでいたのです。

現在、プロ野球ソフトバンクホークスの監督を務め、一年目にして日本一となった工藤公康さんは、今でこそ「理想の上司」にランクインするほどの卓越したリーダーしての評価を高めています。

しかし、かつては工藤さんも「新人類」世代を代表する人物としてメディアに登場しては、時に「世の中をナメている」と批判されるほど、安易に社会の流れに自分を合わせようとしない人たちの一人だったのです。

そんな、「新人類」について、当時発行された「87年度版平均的ニッポン人白書」では、「新人類」世代の特長について次のように記しています。

「命じられたことしかしない」、「敬語を使わない」、「休日出勤や残業を嫌がる」。

やはりこれは「デジャヴ」としか言いようがありません。つまり、「最近の若い者は…」と嘆く大人たちもかつては、大人を呆れさせてきた「新人類」、現代と大差のない気質を持った若者だったのです。

最近の若者との違いと言えば、その時代背景。「日本が地球ごと買ってしまう」と海外から恐れられた時代を生きてきた「新人類」と、デジタルデバイスに囲まれながらも不況がデフォルトの時代を生きている若者とは、価値観が異なるのはむしろ当然のことで、あの「良き時代」がいつかまた来ると信じている人間と、それが何であるか皆目見当もつかない人間との「仕事観」合致するはずなどないのです。

大人たちは若者たちのことを半ば嘲笑を込めて「ゆとり世代」「さとり世代」と呼びますが、今の大人の世代の人が、バブルの幻影を追わず、もう少し節度ある働き方をしていれば若者たちの仕事観ももっと違ったものになっていたかも知れません。

「ゆとり世代」、「さとり世代」の誕生は、ある意味では、大人の世代の人たちが産み出した自身の投影という捉え方もできるのです。

若者と大人が世代間格差を超えて円滑に仕事をするためには?

このIT業界は、技術革新のスピードが速く商品のライフサイクルも速いため、時代の変化に対応しイノベーションを起こしてきた企業が生き残り、そしてこれからも伸びていく傾向にあります。

したがって、「新しい」考え方や働き方に対して寛容である場合が多く、それは、モバイル端末等を活用して効率性と生産性を重視した時間や場所を選ばない働き方を指向する姿勢にも現れています。

これらのITを駆使した業務効率化は、生まれながらにデジタル時代に生きる若者には違和感なく受け入れられますが、「仕事をするのはオフィス」「相手と直接対話」「記録は紙に出力」など旧来のやり方から抜けることができないベテランにとっては、どうも「心が入っていないもの」に思えてならないのです。

となると、「適者生存」、「生存競争」、「自然淘汰」というダーウィンの進化論がそのまま当てはまる厳しいIT業界を生き抜くためには、大人の感性にしがみついては時代の変化に到底ついていけませんし、若者の常識をそのまま持ち込んでは「何だコイツは!」と顧客や業界内から爪はじきにされるのは目に見えています。

しかし、若者の、時代の変化を捉えイノベーションを起こす豊かな感性とエネルギーも、大人の経験に裏打ちされた知識と技術、そして常識ある振る舞いも、ともに必要不可欠な特性なのです。

まずは「違いを受け容れること」これがない限り先には進まない

若者と大人が世代間格差を超えて円滑に仕事をしていくためにまず必要なことは、それぞれの尺度で「異質だから」という理由で拒絶してはならないということです。世代間のギャップは自分の常識に収まらないからこそ嘆きや怒りが生まれるのであって、まずは「自分とは違う」という事実を受け容れることから始める必要があります。

若者の常識のなさを嘆く大人も、かつては「常識がない」と当時の大人を嘆かせた新人類。今の自分があるのは、この何十年かの間、目標にも反面教師にもしてきた先輩の教育を受けたこと、常識のなさから何度も痛い目に遭ってはそれを教訓にしてきたことにあるのではないでしょうか。

確かに、現在の若者たちは、「ゆとり教育」に代表される極度に「競争すること」や「我慢すること」を遠ざけられ、情熱に裏付けられた厳しい指導や叱咤を受けずに育ってきたがゆえか、全体的に精神的な弱さや脆さがある傾向は否めません。

しかし、それは今まで教えてこなかった大人の責任であり彼らに罪はないのです。ですから、大人はかつての先輩がそうしてくれたように、暖かく優しい心で接し、粘り強く教えていくべきなのです。

頭ごなしに叱りつけるのではなく噛んで含めるように諭してあげるべきなのです。若い人たちへの指導は、同時に若く瑞々しい感性を吸収する絶好の機会でもあるのです。

まずは、「違いを受け容れること」、これができるだけで、怒りや嘆きが収まるどころか、今の大人たちが身に付けたよりも早く「常識人」となる日が訪れるかも知れません。

そして、若者たちも、二言目には「ウザい」、「ダルい」と言う前に、大人の話を少しだけ聞いてみましょう。少しだけ我慢をしてみましょう。そして、大人に対して「やり方が古い、効率が悪い」と感じたら、バンバン意見するべきです。

イノベーションはこうした豊かな感性からでた発想や意見から始まるのです。しかし、その際、少しでも馬鹿にしたような態度で臨んでしまえば大人は瞬時に態度を硬化させ、もしかするとあなたの社内での立場も悪くなるかも知れません。

あくまで、人生の先輩である大人への敬意を忘れず、「意見をさせてもらう」という謙虚な姿勢を心掛けることが大切です。

最後に確認して欲しいポイント

ITエンジニアに限らず職場やプロジェクトは様々な世代や性格の人が集まるまるで「多民族国家」です。

そこで円滑に仕事を進め、プロジェクトの成功ひいては会社の発展につなげるためには、世代間のギャップなどの「違いを受け容れること」が第一ではないでしょうか。

「違いを受け容れること」によって、メンバーの特性が引き出され、力を発揮する環境が整っていくのです。

 

 

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