今こそ考えたい「フリーランスプログラマー40歳定年説」を覆す方法

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フリーランス プログラマー

80年代初頭、二大国と並び称されたアメリカ合衆国とソビエト連邦との間で繰り広げられた軍拡競争が加速し、世界中が、いつ核戦争が起きてもおかしくないほどの緊張感に包まれていました。

このような時代背景にあって、高校生の天才ハッカーが始めたゲームが全面核戦争の引き金を引いてしまう映画「ウォー・ゲーム(1983年)」は、水際で回避された全面核戦争を巡る駆け引きを描いた人間ドラマであると同時に、来るIT時代を予感させました。

主人公であるデビッドは、今で言うところのパソコンマニアで、高校の教師用コンピューターに侵入し成績を書き換えるなどの悪戯をはたらく若きハッカーでありプログラマー。

ある日、接続したホストコンピューターが北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)のものとは知らず、そこにあった「全面核戦争」のシミュレーションゲームに興じていたところ、それがきっかけとなってホストコンピューターが現実の戦争開始へ向かって暴走を始める・・・

あれから30年以上が経ち、この映画が現実ならばデビッドは現在50代半ば。

当時、一般の市民がせいぜいインベーダーやパックマンなどのシンプルな機構のゲームを小銭を片手に楽しんでいた頃に、米国最大の軍事機密の鍵をこじ開けるほどの実力を備えた天才は、今もITの世界で活躍しているでしょうか。

世間で言われるところの「プログラマー35歳定年説」

IT業界において伝説となっているNECのPC-9800シリーズが全盛を極めた時代に主力となって活躍したプログラマーは現在50代から60代。

日本経済が右肩上がりの時代にこのシリーズを軸として思い切った設備投資をし、以降バブル崩壊の余波もあって未だに更新せずに使い続けている企業も少なくないのだそうです。

そして現在のIT全盛時代の基礎となった2000年代初頭の「IT革命」を担ったプログラマーたちも40代を迎えます。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズ、マイクロソフトのビル・ゲイツ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグなどITの歴史の中で後世語り継がれるに違いない卓越した人材にプログラマー出身者が名を連ねているにも拘らず、業界では「プログラマー35歳定年説」なる言説がまかり通っています。

その最たる原因は、プログラマーが過酷な環境下での労働を強いられ、かつ賃金が低いのと、30代以降は管理職としての働きを期待される日本の商習慣にあるとされています。

確かに、建設業界と同様に日本のIT業界の最大の問題点とされる多重下請構造においては、プログラマーは上流工程で作られたシステムを清書する役割に過ぎず、大手SIerを頂点とするピラミッドの最下層で労働集約型の働き方を強いられていたことは否定できません。

ならば、半ば「体力勝負」の環境では年齢がネックになることは間違いありません。

しかし、IT業界では世界的にプログラマーやエンジニアの絶対数の不足が叫ばれ、日本国内では折からの人口減と業界に貼られた「新3K職場」のレッテルからか、なり手不足も深刻な問題となっています。

こうした事情から、プログラマーも労働集約型から知識集約型の働き方へとシフトしつつあります。自身が携わるITによって人に頼らず自動化できるものは自動化し、プログラマー目線での開発や生産性向上に特化することにより、年齢が却って「経験知」として重視されるようになります。

世間で言われるところの「プログラマー35歳定年説」は、手足となってキーボードを叩いている分には確実に訪れる節目かも知れませんが、研鑽努力を怠らず、生産性向上に努めているプログラマーにとってはもはや無縁のものとなっているのです。

「フリーランスプログラマー40歳定年説」について

これがフリーランスのプログラマーとなると話はまた違ってくるようです。

元々軍需技術だったIT技術が民間に委譲され、大企業からITベンチャー企業にまで裾野が広がっていくにはタイムラグがあります。

現在50代から60代にプログラマーが活躍した時期は、大企業が潤沢な資金力を背景にシステム開発に注力した時代。まだまだITは極限られた人たちが取り扱う時代でした。

しかし、2000年代初頭の「IT革命」以降、パソコンや携帯電話が爆発的に普及するようになり、それに呼応して新興のIT企業が次々と誕生しまさに群雄割拠の様相を呈するようになりました。

プログラマーも含めたITエンジニアという職業が世間に認知され、IT業界が花形産業となっていったのです。

これが、プログラマーの平均年齢が20代後半、その管理者でも30代と非常に若いケースが多い最大の理由です。

この場合、いくら経験豊富だとはいえ、管理者が自分より年上のプログラマーを雇おうと思うでしょうか。若いプログラマーが自分の親ほどの年齢の人間と席を並べることを望むでしょうか。

システム導入が早く、長年の業務知識が必要とされる老舗企業などの業務は、管理者の年齢が高く40代以上のプログラマーにとっても大いに活躍の場がありますが、こうした業務は企業間取引のみに限定されており、個人事業主(フリーランス)に対しては門戸を閉じている場合が多いのです。

「フリーランスプログラマー40歳定年説」という言説は、プログラマーの個人的要因よりも業界の事情によって定説となりつつあると言えそうです。

 「フリーランスプログラマー40歳定年説」を覆すために

「フリーランスプログラマー40歳定年説」は加齢に伴う体力の低下に加え、日々の研鑽努力を続ける気力や進化発展を遂げる新しい技術の習得に対する向上心が若い頃と比べて衰えてくることに起因する言説でもあります。

若手の瑞々しい完成とみなぎるエネルギーを目の前にしたときについつい口に出してしまう「歳だから・・・」という言葉によって自らを滅ぼしてしまうのです。

したがって、「フリーランスプログラマー40歳定年説」を覆すには、まず先に述べた「老け込んでしまう」要因を強制的に排除しなければなりません。

そのためには、常に新しい知識を吸収しなければならない環境に身を置くべく長期間同じ現場に留まらず新案件に触れ続けること。

そして、「この件に関してはあなたにしか頼めない」という若手では埋められない圧倒的な強みを持つことが重要です。そして、フリーランスならではの横のつながりや、客先のリーダー格の人物の絶大な信頼を得る仕事を今のうちからやり遂げることです。

これではじめて、年齢によってふるいにかけられない、若手と同じ土俵に立つことができるのです。

もし、現在、フリーランスで余裕のある状況ならば、若手の従業員を雇い入れて業務の棲み分けをすることで、年齢からくるビハインドをチームでカバーすることもひとつの方法です。

「フリーランスプログラマー40歳定年説」とは言うものの、80年といわれる人生のまだ折り返し地点。まだまだこんなところで挫けるわけにはいかないのです。

最後に確認して欲しいポイント

大相撲の世界で横綱昇進の際、喜びに湧く当人に対して親方は「引き際」について諭すのだそうです。これは、少しでも横綱らしからぬ相撲が続けば当人の気力体力に関係なく周囲が「引退」を迫る土壌があることが背景としてあるからです。

フリーランスプログラマーであれば「40歳」という年齢がそれにあたるのではないでしょうか。この限界説を覆すのには、後にも先にも若手を凌駕するスキルと彼らには到底適わない経験値をもって常に一目置かれる存在であり続けることなのです。

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