押さえておきたい、フリーランス(個人事業主)の開業登録について

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フリーランス 開業

2015年9月17日の記事を再構成(文言の追加)をして作成した最新記事です。

正社員の安定した立場を捨て、自身の腕で食べていこうと一歩踏み出した時点で、あなたは「フリーランス」であると名乗る権利を手にしています。

実力に見合った賃金を手にすることができず、揺れる気持ちを抑えながら悶々と仕事をしている正社員にとって、「フリーランス」という言葉の響きは羨望の対象であり、その前には中々越えられない壁のようなものが立ちはだかっているように思えます。

しかし、フリーランスになるのは思いのほか簡単で、特別な手続きは必要なく自分で「フリーランス」であると宣言すればそれでよいのです。しかしながら、このままではフリーランスとは言え、立場上はいわゆるフリーターやニートと呼ばれる人たちと何ら変わりはありません。

そこで、フリーランスとなった人の多くは最寄りの税務署に開業届を提出し名実ともに「フリーランス(=個人事業主)」となって事業をスタートさせるのです。

「個人事業の開業・廃業等届出書」「所得税の青色申告承認申請書」の提出

個人事業主の開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼ばれ、最寄りの税務署より入手するか国税庁のホームページよりダウンロードすることもできます。提出時期は「事業の開始等の事実があった日から1か月以内」とされていますが、フリーランスだとこうした日にちも曖昧になることがあるので、あまりうるさく言われることはありません。

開業日なども本人の自由に決めることができます。あと、開業届には屋号を記入する欄があります。屋号は社名のことであり、もし事業が拡大して会社組織にしようとする際、その名称を会社名として引き継ぐことができます。自身の夢や、希望、思い入れなどが凝縮された愛着のある名前を考えてみてください。ただ、屋号に関しては空欄でも実際のところ問題はないそうです。

まず「開業ありき」の場合は、先に提出して後で届け出るもしくは、確定申告等の際に屋号の欄に記入すればOKです。開業届を提出することにより社名が公的に認められることになります。また、開業届を提出するのは「青色申告」のメリットを享受できることにあります。

フリーランスは、確定申告の際に「白色申告」と「青色申告」のいずれかを選択して申告する必要がありますが、開業届を提出すれば「青色申告」の適用を申請することができます。「青色申告」なら「最大65万円の特別控除」など「白色申告」と比べ税金の面で様々なメリットがあります。ただし、青色申告の確定申告は、記帳等それなりの手続きが必要となります。

「所得税の青色申告承認申請書」は「個人事業の開業・廃業等届出書」同様、最寄りの税務署か国税庁のホームページより入手することができ、こちらは「事業開始の日から2月以内」に提出しなければなりません。しかし実際には、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」は同時に提出するよう勧められるそうです。

開業届を出して何が変わる?

開業届は事業開始にあたり、税務署への提出が義務付けられています。しかし、これは納税に関する手続き上の義務ですので、税に関して問題がなければ特に追及されることもありませんし、提出していないからといって罰則があるとも限りません。

それでも、あえて開業届をきちんと提出するのは、個人事業主として法律上の義務を遵守することはもちろんのこと、フリーランスで生きていく自身への決意を確固たるものとする目的があるのです。また、フリーランスとして仕事を行っていく上で、金融機関などから個人事業主としての証明を求められた場合など開業届を提出していなければその術がありません。

開業届はA4版1枚の簡素なものですが、それだけでも本人のみならず、社会的信用を得るための大事な書類でもあるのです。

青色申告の確定申告を税理士にお願いする場合

開業届を提出し、晴れて名実ともに立派なフリーランスとしての第一歩を踏み出したとはいえ、映画で言えば「原作・監督・脚本・演出・主演すべてオレ」であるのと同じ、何なら何まで全て自分でやらなければいけない現実が変わるわけではありません。

いち経営者として、営業活動や経理等の事務処理などひと通り経験することは将来のためにもとても大事なことですが、本業に影響が出てしまっては本末転倒です。開業直後は資金繰りの見通しも立たない状態かも知れませんが、本業とその他の業務に要する時間やエネルギー、コストを分析しその他の業務が本業を圧迫するようでしたら、アウトソーシングを検討することをおススメします。

マンパワーに余裕がある大企業でさえ、近年は本業以外の業務をアウトソーシングし、結果としてコスト削減に成功しています。個人事業主なら、なおさら雑務はアウトソーシングし、その分本業に注力し収益を確保するのも有効な方法かもしれません。

多くのフリーランスが苦手としているのが確定申告です。確定申告の季節になると領収書の束を前に格闘していては、年度末を迎え業務も佳境であろうクライアントとの関係にひびが入らないとも限りません。非常にデリケートな時期ゆえに、本業に集中したいのが正直なところです。

ならば確定申告を税理士に依頼するのもひとつの方法です。個人事業主が青色申告の確定申告を税理士に依頼する場合、報酬の相場は年間売上が500万円未満なら記帳まで自分で行えば5万円、1000万円未満なら7万円、3000万円未満なら10万円、記帳代行も依頼すればその2倍程度が目安です。

税理士に確定申告を依頼するメリットは、手間が省けるだけにとどまらず、節税対策や経営に関する様々なアドバイスを受けられることです。もちろん会社のように上司や先輩が存在しないフリーランスにとっては「専門家の目」「外部の目」からの指摘やアドバイスはとても貴重です。自分自身で確定申告を行う場合の手間やコストなども鑑みて検討してみてください。

健康保険や年金の手続きを確認

フリーランスとして開業する前に、保険や年金についてもう一度確認しましょう。会社員だった人は、退職する際に、会社の健康保険を継続(任意継続)するか、国民健康保険を選択する必要があります。任意継続の場合は、会社員時代の健康保険が継続する代わりに月々の支払額はこれまで会社が負担していた半額分が上乗せされ、約2倍となります。国民健康保険の場合は、前年の収入額や自治体によって異なりますが、任意継続との違いは傷病手当金・出産手当金が支給されません。

また、会社を退職すると同時に、厚生年金から国民年金に切り替わります。最寄りの役所に年金手帳を持参し手続きを行いましょう。ただ、厚生年金と国民年金は将来的に受け取れる支給額に差が出るので、フリーランスになった際は、老後の生活も多少たりとも考慮に入れてライフプランを考えた方が良いでしょう。

個人事業主と所得補償保険

フリーランスが病気やケガで働けなくなったらそれこそ死活問題です。サラリーマンであれば、有休休暇を取得できますし、療養が長引いても月収の3分の2程度の健康保険の傷病手当金を1年半受け取ることができます。しかし、フリーランスがもし病気やケガで入院した場合、生命保険会社の医療保険の対象となります。これは入院1日あたりや通院1日当たりに対して支給されるものですが、最近の病院はそう長くは入院させてはもらえません。

いざ、自宅療養となると医療保険の対象外となり収入は途絶えてしまいます。その際、役に立つのが損害保険会社の「所得補償保険」です。所得補償保険は、病気やケガで就業不能となった期間、一定金額が月額で受給される保険です。

補償期間は2年間で、月額で保証額を支払うコースが主流ですが、保証期間が5年間のもの、60歳、65歳までといった長期のものまであります。いくら健康管理に気を遣っていても病気やケガはいつ襲ってくるか分かりません。

フリーランスならば、それは大きな経営リスクです。もちろん無理のない範囲ではありますが、リスク回避策の一環として保険の加入も検討してみてください。

最後に確認して欲しいポイント

個人事業主が開業届を提出するのは、法的には義務とはいえ、その内容は千差万別である故、本人が目指す事業の内容や規模にもよると思われます。事業が軌道に乗ってある程度の規模になれば「事業所得者としての義務」も生じますし、自身への決意表明と確定申告で何かとメリットのある「青色申告」を利用するためにもきちんと届出を出すのが良いでしょう。

また、フリーランスは個人事業主とは言え、健康を損なえば当人の問題だけでは済まされない場合もありますので、できる限りリスクは回避しておくことをおススメします。

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