仕事がなくなる不安から逃れるために、フリーエンジニアが押さえておくべきポイント

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フリーエンジニア仕事がない

一週間で一日としてテレビで見かけない日はないほど人気を集めている芸能人もその多くは翌年には見かけることも少なくなり、数年後には名前さえ思い出せなくなり、その存在はサンドストームの不快な音とともに記憶の藻屑(もくず)と消えてしまいます。

毎日のようにテレビに出ていた頃は、それまで何カ月も休みがなく、睡眠時間も僅かで、しかも向こう数カ月のスケジュールがびっしりと埋まっていることを「嬉しそうに」愚痴る姿には、今がまさに旬で、これから底なしの下り坂を転がり落ちることなど予想だにしてはいないでしょう。

芸能界で長きに渡って生き残ることができるのは、極々僅かな一握りの人間に過ぎず、大多数は旬の時期に儲かるだけ儲けさせてもらい、世間に飽きられたらお払い箱にされるいわば消費財のようなもの。

しかし、今が旬の芸能人は「この世の春」を謳歌しており、それまで見たことのないケタ違いの収入を得、下積み時代に我慢を重ねたストレスを一気に解放しているとき。「一抹の不安」でさえも、仕事と散財でその気持ちを隠蔽(いんぺい)してしまうものなのだそうです。

そして数年後、「あの人は今…」的な番組で久しぶりに彼らを見たとき、目に力はなく、往年の輝きは失せ、過去の「栄光の時代」を生きた誇りを僅かな拠り所にして生きている姿に、かつて熱を上げていた視聴者でさえも自分勝手なもので「○○の時代は終わったな」ということを改めて再確認するのです。

とまあ、ありがちな芸能ネタを述べてきました。そのような芸能人は、過去もこの先も、数えきれないほど現れては消えていくのでしょうし、決して珍しい話でもありませんが、エンジニアもフリーランスの立場になると、一瞬の輝きを見せてササっと消えていった芸能人たちのことを他人事のようには思えないはずです。

「仕事がなくなる」漠然とした不安

フリーランスを志すエンジニアならば腕に自信はあるはずですし、会社から振り込まれる給料以上の働きをしてきた自負があるのなら、独立することによってエンジニアとしての更なる高みに到達できる可能性も高まるというものです。

しかし、満足、不満足に拘らず、毎月同じ日に決まった給料が振り込まれる会社員の立場から、その日その時の仕事が収入に直結するフリーランスになると、仕事の取り組み方に対する思いも自ずと変化していく人が多いと言われています。その思いは「仕事がなくなる」漠然とした不安からもたらされた、強迫観念にも似た感情なのです。

独立起業したばかりの頃は、会社員時代の取引先関係の伝から仕事が回ってきたり、先に独立した先輩から仕事を回してもらったりしてそれなりに忙しい日々を過ごすことになるかも知れません。

しかし、「今の案件が終わったら次に仕事はあるのだろうか」という不安は常に頭から離れることはありません。去年、「○○グランプリ」に輝いた芸人が、しばらく引く手あまたとなって毎日テレビに出ていたかと思ったら今は、すっかり姿を消してしまったのと同様に、彼らも同じ「明日なき世界」を生きるフリーランスなのです。

こうした不安から、安請け合いをしてでも「仕事があるのなら」と手当たり次第仕事を請けるようになり、奪われる時間と心の余裕は次第にエンジニアの心身を蝕んでいきます。

商売繁盛で十分儲かるのならまだしも、「腕がいいのに激安なエンジニアがいる」という評判を呼ぶと、場合によっては経費超過の状態となって「働けば働くほど赤字」になるという最悪な事態を招きかねません。

そうなれば、自分の腕を活かすどころか、自分の腕によって自身の首を絞める結果となるのです。「貧乏暇なし」は、当初独立した目的ではなかったはずです。

安定して仕事を確保するために複数のチャネルを持つ

安定して収益を上げている企業の特長として、参入障壁が高く他の追随を許さない技術もしくは製品を持っていること、あるいは収益の柱をいくつか持っていることが挙げられます。

前者は技術や商品が陳腐化せず時代の変化に対応し時にイノベーションを起こすことができれば長きに渡って生き残ることができるでしょう。

一方後者の場合は、リスクマネジメントの色合いが強く、一方が不調に陥っても、他の事業が補う形で経営を安定化させる狙いがあります。

時勢の変化を読むのが難しい昨今においては、本業を軸にした多角化経営によってリスクを分散させてうまく行っている企業も多数存在しています。

フリーエンジニアが参考にすべきは後者の経営手法で、まずは安定して仕事を確保するためにいくつかのチャネルを作ることで収益の基盤を確立することに集中しましょう。「漠然とした不安」から解放されれば気持ちにも余裕が生まれ、いつしか「仕事を選ぶ」立場のフリーエンジニアへの道も拓けてくるはずです。

 フリーエンジニアの多くは紹介と営業によって仕事を確保している

中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編」(2015年2月、日本アプライドリサーチ研究所)によると、「顧客を獲得するための方法(複数回答)」として1位となったのは「既存の顧客からの紹介(47%)」、2位は「自分の営業活動・売り込み(42%)」とフリーエンジニアの大半は紹介と営業によって仕事を確保しているのです。

見方を変えれば、紹介によって仕事を得るには「独立する前にどれだけの仕事ができていたか」が問われることになります。紹介だけでは仕事が足りない、もしくは伝を失ってしまった場合に、営業活動へと重点がシフトしていきます。

エージェントを有効活用する

フリーエンジニアにとって営業活動は大事な仕事であることは分かっていても、営業経験のない、もしくは苦手だったエンジニアにとっては苦行以外の何物でもありません。

しかし、フリーランスは、待っていても仕事は入っては来ませんから営業力は絶対に身に付けるべき武器です。とはいえ、営業経験のない人が一朝一夕に営業力をつけろと言われてもそれは酷な話です。

ですので、営業活動の傍ら、エージェントを活用して仕事を確保するようにしましょう。エンジニア専門のエージェントに登録しておけば仕事の紹介だけでなく、フリーランスにとって有用な情報提供や、煩わしい事務作業のサポートなどのサービスも充実しています。

最終的には請けた仕事でどれだけ信頼を勝ち得たかで次の仕事が決まっていく

あなたが成し遂げた仕事の評価は、そのクライアントと長い付き合いになるか、次の案件の紹介に結びつくかなどやはり「仕事」によってもたらされることになります。

ひとつの案件が終了してそれっきりではなく、運用保守などのアフターサービスや、新しいシステム開発の案件の依頼などクライアントと長期間に渡ってパートナーシップを構築していくことが、安定した収益をもたらすひとつの柱となっていきます。

つまり、独立間もないフリーエンジニアにとって仕事の依頼は、単なる収入源ではなく、ゆくゆくは将来の安定経営につながる「バラ色の未来」への入り口なのです。請けた仕事でどれだけ信頼を勝ち得たかで次の仕事が決まっていくものなのです。一期一会の思いで大切に取り組んでください。

最後に確認して欲しいポイント

独立起業してすぐに仕事が入り、十分過ぎるほどの収入を得られるフリーエンジニアは極一部の限られた人たち。業界内では多少たりとも名の知れた人物のはずです。

しかし、大部分のエンジニアは独立した後も「漠然とした不安」を抱えながらも、この世界で懸命に生きていこうとしているのです。本コラムによって少しでも多くのフリーエンジニアがこの不安を払拭し、持っている力を発揮する契機となれば幸いです。

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