営業活動を疎かにしないフリーエンジニアが心得るべきこと

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フリーエンジニア 営業

会社勤めに見切りをつけ、晴れて独立の夢を果たしたフリーエンジニアが直面する最初にして最大の課題は「新規顧客をどうやって開拓するか」ではないでしょうか。

企業という看板を背負っていてさえも、新規顧客の開拓はそう生易しいものではありません。電話をかければ話すら聞いてもらえず無下に扱われ、オフィスに飛び込めば門前払いを食らうのが当たり前の世界。

特に営業経験もなく独立したエンジニアにとって営業は苦行以外の何物でもありません。

独立を志すエンジニアは、腕に覚えがあり、IT領域に関しては一家言ある誇り高き技術者たちの集まりです。しかし、営業活動がうまくいかなかったがためにその誇りと自信を失い、腕を振るうことなくフリーエンジニアの道を断念してしまう人も少なくないと言われています。

自分自身の腕で道を切り開くために独立したのに、本業で勝負の土俵にすら立てない、研ぎ澄ました刀を一度も抜くことができずに夢を諦めざるを得ない無念さは筆舌(ひつぜつ)に尽くしがたいものです。

また、社歴を積めば独立を推奨されるリクルートのような企業なら話は別ですが、独立に際しては「円満退社」は表向きで、会社からすれば「育ててやって給料を払ってやっているのに何たる恩知らずな奴」、当人からすれば「会社に不満がなければ独立なんかしません」というのが双方の本音で何らかの禍根(かこん)を残しているのが大半です。

独立起業を大成功させて、独立を打ち明けたときに嘲笑(ちょうしょう)した元上司や元同僚の鼻を明かすのか、それとも、「いい気味だ」と笑い話のタネになるのかを決めるのは、やはり「いかにして顧客を勝ち取るのか」にかかっているのです。

断られて当たり前、心の切り替えが次の成功につながる

独立起業前に、十分に人脈を築いている人ならば、その伝を頼って仕事を得られたり、うまくいけば前職のクライアントがそのままついてきてくれるケースもあります。

しかし、人脈を築いてきたつもりでも、いざ独立してみると手のひらを返したように離れていってしまうなんてことも良くある話です。彼らはあなたではなく、あなたが勤めていた会社と仕事をしていたのです。

さあ、これで独立前に充てにしていた弾が切れてしまいました。もう背に腹は代えられません。あなたは、否が応でも新規顧客開拓のために営業をしなければならなくなりました。

しかし、電話をかけても、オフィスに乗り込んでも連戦連敗、取り付く島もありません。無下に断られると、やはり傷付きますし、自分自身を全否定されているようでとても辛く苦しいことと思います。

断られること、傷付くことを恐れ、次への一歩が踏み出せなくなる心境も分からなくはありません。完全に負のスパイラルにはまっている状態です。

しかし、考えてみてください。あなたが会社勤めの時代、こちらが目も回りそうなほど忙しいときに、営業の電話などかかってくれば、気分の良いものではありませんし、こちらの事情も考えずズケズケと売りこんでこようものなら「二度とかけてくるな」とばかりに受話器を切っていたのではないでしょうか。

また、休日の家族団欒の時間に、どこで調べてきたのかいきなり電話をかけてきて「怪しい儲け話」などされたときには、問答無用で通話を切った経験はないでしょうか。寒空の中、懸命に笑顔を作ってチラシやティッシュ配りをしている若者に目さえも合わせず無視して歩き去ったことはないでしょうか。

つまり、あなたが慣れない営業で断られる数の何百倍、いや何千倍の「断り」をあなたは日常生活で実践しているのです。あなたが断られて傷付き、恐れているように、あなたが断り続けてきた人たちが、あなたの行為に対していちいち傷付いているのでしょうか。

新規顧客開拓を成功させ、生活の糧を得ていくためには、断られていちいちクヨクヨしてはいけないのです。先に述べたように、営業など最初は断られて当たり前です。1度目がダメなら2度目、1件目がダメなら2件目…と心の切り替えが次の成功へとつながっていくのです。

さりげなく電話や訪問を重ねるうちに、何度目かには名前を覚えられ、また何度目かには「話を聞こうか」と次第に興味を持ってくれるようになります。

恋愛ネタの「会えば会うほど好きになる」単純接触効果と同じような好感度向上作戦が功を奏してくるのです。ここまできてようやく相手の土俵に上がることができました。次は、信用を勝ち取って、「あの人と仕事がしたい」と思わせる方法について述べていきます。

 

「信用を得る」ことに真剣に取り組むこと

企業間取引が基本的な日本の商習慣ゆえ、個人事業主であるフリーランスがその中に割って入るには、信用を得て、そのメリットを十分に実感してもらう必要があります。まずは信用を得るために絶対にやっておきたいことを挙げます。

ホームページを作成、ブログ等で定期的に情報発信を行う

昨今、企業の情報を知るためにはイの一番にチェックするのが企業のホームページであることに異論を挟む人はいないでしょう。ホームページの更新状況やサイトの作りを見れば、企業の「やる気」をある程度推し量ることができます。

特にIT系ならば「言わずもがな」です。「2013年度版中小企業白書 第4章 情報技術の活用」では、小規模事業者におけるホームページの開設の有無と販売先数の変化のグラフが表示されており、ホームページを開設している事業者のほうが、開設していない事業者と比べて販売先数が「大幅に増加した(0.2%→3.7%)」、「やや増加した(8.5%→34.1%)」と回答しているのが多くなっています。

近年は、無料でも見栄えの良いホームページを作成できるサービスもありますので、まずは、そこから活用するのも有効な方法です。

また、無料ブログ等を利用して自身のサービスや技術等を定期的に発信していけば、あなたの技術を必要としている会社と出会う確率も格段に高くなります。

ホームページやブログは、24時間365日、世界中どこでも見ることのできる最大の広告媒体です。あなたが電話したり訪問した会社は、あなたとの話が終わった後、ほぼ間違いなく企業名を検索してホームページをチェックします。

しっかりとしたページがあればまずは第一関門をクリアしたと言っても過言ではありません。

名刺や服装、時間厳守など社会人としての基本を大切にする

IT関連企業は、歴史も浅く平均年齢が若いこともあり、ベンチャースピリットとエネルギーに満ち溢れているのとは裏腹に、名刺や服装、時間厳守など社会人としての基本的な常識に欠けている人も少なからずいるのも実情です。

社内や業界内で通用してもクライアントとなるのは他業種の場合も多いわけですし、実際のところ、「IT業界はだらしない人が多い」というのも残念ながら定説となってしまっています。それだけに社会人としての基本を大切にすることは信用を得るための大きなアドバンテージとなります。

競合するIT企業の営業担当が、ラフな格好で、ちょっと遅れてやってきて、しかも「名刺ないんすよ」などとのたまっている先で、あなたは、ビシッとスーツを着込み、時間きっかりに訪問し、挨拶代りの名刺交換という儀式をつつがなくこなしていくのです。どちらが信用を勝ち取るかは火を見るよりも明らかです。

フリーランスならではのスピード感とフットワークで勝機をつかむ

あとは、フリーランスであるあなたに仕事を受注するメリットを実感させることができれば交渉は成立します。当然、企業が競争相手ですから労働集約的な案件だったり高価なツールが必要となる案件では勝ち目はありませんし、そもそも争ってはいけません。

フリーランスが最も勝負できるのはそのスピード感とフットワークの軽さです。フリーランスであれば、企業が会社に戻って確認を取り、稟議を提出し多くの「偉い方々」の署名を取っている間に、仕事自体を完了させられるかも知れません。

それは、あなたが決裁者であり頭脳であり、エンジニアであるという一人何役もこなすフリーランスであるからこそなのです。そして会社相手であれば、クライアントが支払う人月単価に対してエンジニアの取り分は4割かそれ以下なのが通常です。

それがフリーランスであれば、自身の取り分を増やしても人月単価の総額を抑えることができ、価格競争の側面でも十分に勝機をつかむことが可能です。

 

新規顧客開拓が難しければエージェントを活用する方法も

とはいえ、ノウハウをいくら並べたところでまったくゼロの状態からの新規顧客開拓は、実際にやってみると精神的にもタフで、うまくいかない時間が長引くと不安も大きくなります。

一朝一夕に営業力が身に付くわけではないですし、奇跡的な発明やヒット商品がなければ突然変異的に顧客が湧いてくるようなことなど絶対にありえません。

それは、すなわち急に顧客が増えるわけではないことは意味し、少なくともその間は収入面で苦しい生活を余儀なくされるということなのです。 

新規顧客開拓がなかなか進まない、もしくは、自身の営業力向上を待っていられない人には、エージェントの活用をおススメします。

もちろん手数料(おおむね売上の10~20%)はかかりますが、ITエンジニア専門のエージェントなら希望に近い仕事を紹介してくれるうえに、契約周りの煩雑な業務を代行してくれ、希望の案件に参画できるようバックアップもしてくれます。

生活できなくなっては元も子もありませんからエージェントを通じて仕事を確保しつつ、新規顧客開拓を並行して進めるのもひとつの方法です。

 

最後に確認して欲しいポイント

今も昔も「伝説の営業マン」の称号を与えられたカリスマでさえも、営業成績が伸びない、連戦連敗の苦しい時代を過ごしているものです。

彼らは成功体験を遥かに凌駕する壮絶な失敗体験を糧にして、顧客の心を掴み、信頼を勝ち取るテクニックを身に付けていったのです。

エンジニアとしての腕に確かな自信があるならば、あなたの仕事を通じてクライアントが享受するメリットを澱みなく伝えることができるはずです。

まずは、ひとつの失敗にクヨクヨしないこと。断られることから始まる恋愛話が星の数ほどあるように、新規顧客開拓も、断られることから始まる信頼関係もあるのです。

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