フリーランスで成功するために人脈形成(ネットワーク)を作るポイントとは? 2017

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2016年2月25日の記事を再構成(文言の追加)をして2017年度版として作成した最新記事です。

これまで勤めていた会社を退職してフリーランスになるエンジニアが増えています。

終身雇用や定期昇給といった旧来の日本型経営が崩壊したといわれる現在においても、会社勤めは、少なくとも最低限の生活は将来に渡って保障されている安定した立場です。

その「会社員」という立場を投げ捨ててまで、強者が群雄割拠するフリーランスの世界にあえて飛び込むことは、人生において指折りの大きな決断であったに違いありません。

現状への不満、成長を指向するあくなき向上心、そしてエンジニアとしての確かな腕は、大きな勇気となってフリーランスへの決断を後押ししたことでしょう。

もちろん、そこにはフリーランスとして成功を収める明確なビジョンと遠くない将来この世界で活躍している自分自身の姿が見えていたはずです。「オレはこの会社でこれだけの仕事をし、これだけの実績を残してきた。

この会社は、オレに十分な報酬を与えなかったこと、そして手放したことを後悔することになるだろう」と。

しかし、いざ独立してみると、仕事の依頼が来ないどころか、営業に足を運んでも会ってすらもらえない状態が続き、早くも開店休業状態に陥ることも少なくありません。前職で関わった人たちには、挨拶も済ませたし、独立する旨も伝えていたはずだったのに…。

この人の「こんなはずではなかった」失敗を生み出した原因は、意識的か無意識的かフリーランスの成否を分ける「人脈形成(ネットワーク)」を軽視したことに他なりません。

顧客はあなたと仕事をしているのではなく、「会社」と仕事をしていた

 

独立したエンジニアがまず声をかけるのは、前職で取引先だった会社の担当者でしょう。

一緒に仕事をしていた頃は、ときに熱い議論さえ戦わせた気心の知れた仲で、人によってはプライベートでも親交があって、「何かあればいつでも力になるよ」などといわれていたかも知れません。

しかし、フリーランスとしてかつての取引先に足を運んでみると門前払いにはされないまでも、前職にいたときのような扱いは受けられないと思って間違いはないでしょう。

そして、旧知の仲でフランクに物事を語り合えたはずの担当者は、よそよそしく、奥歯に物が挟まったかのような物言いをしてくるかも知れません。その場では、あまりの扱いの違いに「なぜだ?」と自問する余裕もなく、がっくりと肩を落として帰路につくときにふと気付くのです。

会社員時代の顧客からの評価は、決してあなただけの評価ではない

自分自身の腕に自信があり、その腕で生きていこうとフリーランスになったエンジニアたちが最初に鼻っ柱を折られる瞬間です。

たとえ自分が見限った会社であっても、社会的信頼は絶大であり、その会社の「プライスタグ」が取れた自分は、名もなきエンジニアの一人に過ぎないことを痛切に思い知らされるのです。

ここで心が折れてしまうようでは、フリーランスはとても務まりません。この事実を、フリーランスの成否を分ける「人脈形成の大切さを気付かせてくれた」と前向きに捉えられる人には次なるステップが待ち受けています。

すなわち、この挫折は、フリーランスエンジニアとしてたくましく成長できる大きなチャンスでもあるのです。

「知らない人たち」とのつながりを持つためには

フリーランスになって「人脈形成(ネットワーク)の大切さ」を痛感したエンジニアは、まず第一歩としてIT系のイベントに参加して自分を売り込もうとするでしょう。

しかし、長く会社員をしてきた者にとっては同僚や取引先ぐらいしかつながりはありませんので、参加者のほぼ全員が「知らない人たち」です。まだ自分を売り込むには、少し距離がありすぎるかも知れません。

そこでおススメなのが小規模な勉強会やハッカソンなど、密にコミュニケーションを取ることのできるイベントの参加です。同じエンジニアでも、違う世界を生きてきた人とのセッションはそれ自体が十分刺激的ですし、新鮮な気付きを与えてくれます。

立場は違ってもエンジニア同士ならば、コードなど共通言語でテクニカルな部分は語り合えますので、その場で意気投合し、先方の顧客から紹介が起こらないとも限りません。このやり取りに慣れ、自身の進む方向性が定まってきたら、少しずつ大きなイベントにも参加してみましょう。

闇雲な名刺交換や一方的なアピールだけではなく、自身の方向性に見合った参加者を見極めた上で接点を持つように心掛けてください。

また、「知らない人たち」を人脈へと昇華させるために、「相手は自分を知っている」状況を作りだす仕掛けも大切です。そこで便利なのが、自身のブログや、エンジニアのSNSや掲示板での情報発信です。

情報発信には責任も伴いますし、きちんとした準備が必要とされますが、的確で有用な情報が発信でき、かつしっかりとした運営ができていれば、「知らない人たち」が最初のアクションを起こすハードルを大幅に下げてくれるはずです。

ITに携わる者だからこそITによって生まれたコミュニケーションツールを生かさない手はありません。初対面の人に「○○の××さんですね」といってもらえれば、ファーストコンタクトは成功したも同然です。

友達感覚ではビジネスはできない

初対面のまだ会ったこともない人が、自分の仕事についてそれなりに理解を示してくれている状況が作れれば、売り込みの第一歩は成功しました。ただ、ここで満足してしまうと、せっかく興味を示してくれる人も覚めてしまいかねません。初対面以前の淡い興味を本物に変えるには、対面時のコミュニケーションが重要です。

ありがちなのが、ネット上の自分の発信した情報にせっかく興味を持ってくれたのに、その関心をビジネスにつなげることができない、というケースです。特にエンジニア同士であれば、コードのような共通言語を話題にすれば、それだけで話が盛り上がり、仲良くなれることが多いため、ビジネス感覚というよりは友達を作るような感覚で勉強会に参加してしまいがちです。

コードを使っていると、多くの人が知らないことを自分たちは知っているという希少性の原理が知らず知らず、人間関係の中にも作用することがあり、クローズドな2人だけの世界に突入してしまうと、ビジネスの話にはなかなか持っていけません。友達感覚だと、ビジネスの話がなぜかできなくなってしまうのです。

ですからビジネス上の交際には、緊張感が必要です。仲良くなりすぎるとビジネスの話がしづらくなるだけでなく、ときにはシビアな話も必要となるからです。余りに友達感覚が過ぎると、胃がキリキリするような面倒な話は避けてしまい、楽しい話ばかりするようになってしまいます。

ビジネスは楽しい話ばかりではありませんから、これでは難局を乗り切れるような関係にはなり得ません。仮に友達感覚でビジネスをやっても、高い確率で失敗します。

自慢話が過ぎると嫌われてしまう

また、とにかく自分のスキルをアピールすればよいと思っている人がいますが、それが過ぎると自慢話ばかりしている人と思われかねません。あなたも自慢ばかりする人とは余り関わり合いになりたくありませんよね。ですがビジネスで自分をアピールすることが大事、とばかり大抵のノウハウ本には書かれていますから、本に書いているままに、ついついアピールばかりしてしまいがちなのです。

それに、世阿弥は秘すれば花などと記しました。つまり隠している部分があればあるほどそれが魅力となるのです。アピールで自分の全てを出し切ってしまうと、第3者はあなたのスキルを評価しやすいけれど、反面あなたの人間としての魅力を感じられる部分が減ってしまいます。

人間的魅力というデータには現れないものが、案外ビジネスの成否を握ります。ですから余りに自己アピールが過ぎると、結果的に過小評価されてしまいがちです。皮肉な話ですが。

発信以上に聞く力をつけてつながりを強くする!

自己アピールというのは何のために行うのかというと、究極的には自分のことをいい人だと思われたいから行います。その意味で、交流会では自己アピール以上に相手の話を聞く力が必要になります。円滑なコミュニケーションを行いビジネスに結びつけるには、信頼関係の構築が必要で、そのためには自分のことを理解してもらうこと以上に相手のことを理解する必要があるからです。

相手を理解するには、自分が話をする以上に、相手の話をしっかりと聞かなければなりません。

では聞く力をつけるにはどうすればいいのでしょうか。本来スポーツの世界で行われていたものの、その応用力の高さから、近年ビジネスでも注目されているコーチングスキルの中に、そのヒントが隠されています。

コーチングというと、相手に指導を授けるためのスキルのように感じますが、実は双方向のコミュニケーションに有用で、しかもお互いの潜在能力を高めるような関係を構築できるのです。

コーチングの3つの基本:傾聴・質問・評価

コーチングスキルは傾聴・質問・評価の3つを基本としています。傾聴とは相手の話をよく聴く技術のことで、相手の話じっくりと聞くことができ、しかも相手は非常に話しやすいので、心を開いて話をすることができます。

どうしても初対面だと心を開くことができない人が多いものですが、傾聴によって相手の話を聞いている姿勢を見せることで、心を開いてもらうのです。ダウンタウンの松本人志さんが雑誌のインタビューでいっていましたが、コントを収録するときは、初めて共演する若手がいたら、まずは自分に慣れてもらうための努力をしていたそうです。

慣れて打ち解けないと、コントが面白くなくなるからだそうですが、自分に慣れ親しんでもらうために傾聴は有効です。

質問とは、相手の話にただうんうんうなずくだけではなく、話の流れにそった質問を行うことです。ただうなずいているばかりでは話をしている方からすればつまらないし、本当に自分の話を聞いているのか、不安になります。だからそうした不信感を一掃するため、適切な質問を行うのです。質問と傾聴ができていれば、基本的に会話は成立します。

そして最後に評価が必要です。評価といっても手厳しい評価ではなく、相手のよかったところを肯定するための評価です。褒められてうれしくない人はいませんし、嫌われていないという感情が信頼感を生みます。

そう難しく考えることなく、相手の話をよく聞き、相手の話に積極的に質問し、そして相手を肯定的に受け止める。これが相手の話を聞く力です。つい自分のアピールばかりしてしまう人は、コーチングの3つの基本をしっかりと意識しましょう。

人脈形成(ネットワーク)によって成長することができる

優秀なエンジニアの要件を問われた場合、技術や業界動向などスキルや知識に関することと、自身のキャリアに関する向上心など職人かたぎな側面について極めて高い能力を有していることはいうまでもありませんが、いざ人脈となると途端に定義があやふやになることが少なくありません。

エンジニアがつながりを広げていく方法については先に述べましたが、これが人脈にまで昇華するためには、知り合った人たちから刺激を受け、自分自身も刺激を与えられることで互いに成長できる関係性を築いていく必要があります。

この刺激は、互いの知見を広げ、確実に仕事へとフィードバックされてきます。これは、かつての同級生、先輩、後輩、同僚といった気が合うとか合わないとか、ときに自身の意のままに動かせる存在ではなく、双方が高みを目指すために結ばれた信頼によって成り立っている関係です。

これが真の人脈と呼ばれるものではないでしょうか。この信頼で結ばれた強固な人間関係が、一人、また一人と広がっていくことによって、幅広い人脈(ネットワーク)が築かれていくのです。

このレベルになると、業界を問わず精度の高い情報が入ってくるようになり、大きなビジネスチャンスを確実につかむことができるようになるでしょう。

このとき、会社というプライスタグがなくても、いちフリーランスとして十分に勝負できるエンジニアへと成長を遂げているはずです。

最後に確認してほしいポイント

ITは、多くの人の生活を便利にし、企業経営においては様々な業務効率化に寄与してきました。しかし、「企業は人に始まり、人に終わる」という格言にもあるように、いつの時代、どの業種においても人を抜きにした仕事などありえません。

それはフリーランスエンジニアにおいても例外ではなく、人とヒトとの関係は、極論すれば小難しい技術以上に重要視しなければならないものです。フリーランスはいうなれば小さな企業の経営者です。

経営者が人のことで苦労するのは宿命ともいうべきものなのです。幅広い人脈(ネットワーク)は、できることならば、フリーランスになる前に築いておくことが望ましいのはいうまでもありません。

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