在宅も常駐も厳しいフリーエンジニアの現状を打破するためには?

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フリーエンジニア 在宅

毎朝満員電車に乗って会社に出勤し、何かトラブルでもあろうものなら客先に飛んでいき、脈のありそうな見込み客があれば果敢にアタックし、夜になれば疲れた体に鞭を打って会社に戻り業務日誌を書き上げる…。

夏は茹だるような暑さに汗だくになり冬は、凍えんばかりの冷風に打たれ、擦り減った靴底は、あなたの働きぶりを何よりも雄弁に物語ります。

しかし、「どこでもドア」のように瞬間的に移動ができる道具があれば、あなたの体力を奪っていた移動の苦しみと膨大な時間から解放され、これまでの苦労は手厳しい方ですが、実は「ムダだった」ということにはならないでしょうか?

ITの発達によって、「どこでもドア」とまではいかないまでも、携帯電話や電子メールの普及によって場所や時間に囚われない通信手段を確保でき、遠隔地にいる者同士でもTV会議やスカイプを利用することにより、まるでその場にいるような臨場感のあるミーティングを実施することができるようになりました。

また、クラウドサービスを利用すれば、「資料を取りに会社に戻る」必要もなく、出力したければ近くのコンビニのマルチコピー機を使えば十分事足りるようになりました。このようにITは、従来の働き方を大きく変えたと言っても過言ではありません。

ITエンジニアの仕事も、サーバーを設置したり配線を組んだりする物理的な仕事以外は、極論を言えば、直接顔を合わせなくても、その場に出向かなくても、インターネットに接続しているパソコンがあれば多くの仕事が務まってしまうのが正直なところです。

それが、独立してフリーになるエンジニアが多いのと無関係ではないでしょう。実は案外ムダな時間も多い会社勤めに見切りをつけ、ムリとムダを排した時間や場所に囚われない働き方を指向できるのはフリーランスの特権です。

しかし、現状はそう簡単にはいかないことの方が多いようです。

 在宅の仕事を維持するのは厳しい

業界で名の知れるほどに腕の立つエンジニアならば、独立後も引く手あまただろうことは想像に難くありませんが、例えどんなに実力があろうとも大部分はゼロからのスタートです。

在職中にあくせくと作り上げた「人脈」らしきものも、会社の看板が取れた瞬間にあなたの元をそそくさと去ってしまうことも少なくありません。

独立したての頃は、市場からすればどこの馬の骨かも分からぬエンジニアの一人に過ぎません。ならば、臥薪嘗胆の思いで、なりふり構わず客先に飛びこんで自身を売り込み、仕事を取りに行くしかありません。

まずは限りなくゼロに等しい「信頼残高」を少しずつでも積み上げていくのです。IT業界にありながらいささかアナログな手法ですが、まだまだITにも人の心の琴線を揺るがすことまではできないようです。

まずは信頼を勝ち取り、仕事が入ってくる、安定的に収入を確保できる段階になってはじめて、自宅をオフィスに時間や場所に囚われない、憧れの「フリーランス的」働き方を手に入れることができるのです。

企業間取引が商習慣として色濃く残る日本において、敢えてフリーランスに仕事を依頼するのは、その実力もさることながらフットワークの軽さと柔軟性に拠ることころが大きいとされています。

対企業ならば、大規模な案件ならば心強いですが、ちょっとした仕様変更にも煩わしい手続きが必要であったり工数が嵩むこともあり、却って割高になってしまうことが多いのです。

その点こそがフリーランスが企業との受注競争に打ち勝つ糸口ではありますが、それが巡り巡って自身の首を絞めてしまうこともあるのです。

先に述べたように、クライアントにとってフリーランスは、「融通が利く」ことが重宝される大きな理由ですが、企業の論理からすればそこには「企業に頼むよりも安く済ませられる」という本音が見え隠れします。

まずは在宅をメインとした個人事業主と企業という圧倒的な立場の差は、交渉の席においてはフリーランスが不利であることは言うまでもありません。「仕事が欲しい」という下心を見透かされた上に、終始交渉をリードされ安請け合いしてしまったらそれが最後。

これがあなたの「実績」となり、この金額をベースに次回の仕事の話は進められてきます。これでは下請け企業で下流工程に甘んじてきた時代と同じです。在宅フリーランスで仕事が欲しいからと言って安請け合いしていては、却って自分の首を絞めてしまいます。

絶対に安請け合いはしないこと。もし先方が難色を示したのなら他の付加サービスを提案するなど単価を下げない手段を講じましょう。もちろん、高単価に釣り合うよう日々研鑽努力を怠らないことは言うまでもありません。

客先常駐型のエンジニアはいいように使われがち

フリーエンジニアになったはいいけれども、会社員の頃と同じように客先常駐で働いている人も少なからず存在します。会社を通さない分、手取り収入は増えたけれども当然左うちわの生活など夢のまた夢です。

これは、建設業界と同様、日本のIT業界の多重下請け構造が原因です。建設に関しては大手ゼネコンが大部分を総取りし、その一部が下請けに回ってくる構造になっており、いざ問題が起きれば下請けに責任を押し付けて平然としている様は最近の杭打ち問題のニュースでも記憶に新しいところです。

IT業界も例に漏れず、仕事の受注は大手SIerが同じく総取りし、下請け、孫請け、4次請け、5次請け…とピラミッドの底辺へと仕事が降りていきます。底辺ほど、激務にも拘らず利益も少ないことは想像に難くありません。

近年、IT業界が「ブラック企業」とネットを騒がせているのは、このピラミッドの底辺を支える会社で働く名もなきエンジニアたちの心の叫びに他なりません。当然のことながら、中小のIT企業は元請になれないため、基本的には客先に派遣され、客先常駐のエンジニアとなるのです。

フリーランスも、「この分野なら叶う人がいない」ようなエンジニアでなければ、クライアントからその客先に派遣されることもよくあるケースです。

しかしながら、下請け企業が担う下流工程の仕事は、回ってきたときには納期がタイトな場合も多く、元請の都合に振り回されて疲弊する事例は事欠きません。フリーランスになったときに、このような自分の姿を誰が想像したでしょうか?

納期に追われ、疲労の色濃い職場では、多くのエンジニアが業務以外の思考力が働かなくなり、余裕を失っています。これが常態化すると周囲の人は当てにはできませんし、これが当たり前だと受け入れてしまえばもはや成長はありません。

こうした場合は、勇気を持ってその道のプロに相談し、客観的な目で働き方を見直す機会を持つことが重要です。

最後に確認して欲しいポイント

ここまで、在宅がメインもしくは客先常駐がメインのフリーエンジニアの現状について述べてきましたが、両者が負のスパイラルに陥る共通の原因は「相談する人がいないこと」にあります。

職人気質のITエンジニアがフリーランスになる理由の多くが、「自分の腕を活かしたいから」なのだそうです。こうした職人らしさこそがエンジニア魂であることは否定しませんが、業界の事情や自分が仕事をする環境、お金の流れなどを考えて独立する人は残念ながら少数派です。

ただ、フリーランスになってもはや後戻りができないのなら、事情を良く知る人を相談相手に持つことは、局面きょくめんで適切な決断を下し、自身のその後の方向性を見誤らないためにも極めて重要です。

その点においては先に述べた業界の事情に精通したエージェントを活用するのもひとつの方法です。

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