ITエンジニアの募集、採用のミスマッチはなぜ起こるのか?

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エンジニア募集

2000年代初頭の「IT革命」以降、IT業界の成長は留まるところを知らず、右肩上がりの伸びを見せています。今やITなしにはビジネスも生活も成り立たないほど、欠かすことのできないものとなりました。

エンジニア不足が深刻化するIT業界

2008年のリーマンショックによりIT業界への投資に陰りが見えたものの、近年の国内景気の回復傾向によって息を吹き返しています。スマートフォンは、便利なアプリケーションやゲームなどが充実し、いわゆる「ガラケー」と言われる携帯電話に取って代わり、さらに2016年には、IoT(モノのインターネット)が黎明期を迎えるとされ、IT業界は更なる成長を遂げようとしています。その一方で深刻な問題となりつつあるのが成長するIT業界を担うエンジニアの絶対的な不足です。

 

それゆえ、ITエンジニアの求人は現在空前の「売り手市場」の状態となっており、転職希望者にはまたとないチャンスの到来と言えそうですが、企業側にとっては激しい争奪戦が繰り広げられています。

予定採用数を満たすことができないばかりか、即戦力として期待できるレベルの人材を集めることができない企業も少なくなく、採用担当者の嘆きが聞こえてくるようです。

また、2016年1月から始まるマイナンバー制度に対応するべく安全管理措置の必要からセキュリティー対策も抜本的な見直しが迫られ、ITエンジニアの不足はさらに深刻の度を増していくと思われます。

今回はITエンジニアではなく、採用する側に焦点を当て、良い人材が集まらない原因を考えてみましょう。

ミスマッチの原因は人事部主導の採用プロセスにある

それなりの時間と労力をかけてようやく採用にこぎつけても、現場が求めているスキルと見合わないなど期待通りにいかない採用のミスマッチも頻出しているといいます。

その原因は、IT業界に限らず、採用活動が人事部主導になっている、もしくは丸投げ状態になっていることが挙げられます。労務管理など労働法に則った事務作業にかけてはその道のスペシャリストが揃っているであろう人事部も、こと採用に関してはド素人であることが多いのが現状です。

しかしながら、採用に関わる煩雑な手続きなど「面倒なことに巻き込まれるのはご免」とばかりに、人事のことは人事にと敢えて手を出さないでいる側面もあることは見逃せません。

一般的に人事部は社員の個人情報を取り扱うことが多いため他部署の社員との密な接触を避ける傾向にあります。また、人事という機密かつデリケートな情報に触れていることから、特定の社員や部署と緊密な関係になることによって他の社員に不公平感を与えたり癒着を疑われないとも限りません。

となると、人事部は現場の人員や賃金といったデータ上の情報は把握しているけれども、そこでどのような問題が起こっているか、どういった人材を必要としているかといった最も重要な情報に関してはまったく把握していない、もしくは敢えて関与していないというのが現実なのです。

これらの状況を踏まえれば、人事部主導の採用活動によって期待に応えられる人物を採用することは困難であると言わざるを得ません。

加えて、人事部の採用担当者に任せきりだと、現場が求めているスキル等に関する理解が十分でないために、最終的には面接の第一印象や「人柄」で決める以外に手段がありません。高度なスキルを持ったITエンジニアは、技術に関する探究心が生半可なものではないために、一般的にはひとクセもふたクセもあるマニアックな人物であって当たり前。

それが、人事部のフィルターを通してしまうと、「コミュニケーションスキルの不足」などというもっともらしい理由をつけて不採用とされてしまうことも十分に考えられます。

優秀なエンジニアは一般の転職市場にはなかなか出てこない

IT企業のサービスを支えているのは言うまでもなく優秀なエンジニアです。野球で言えばON(王、長嶋)や松井秀喜選手、イチロー選手といった何人が束になっても叶わない技術とスター性を併せ持った選手のようなもので、彼らの活躍がチームの勝利に直結するのと同様に、優秀なエンジニアはIT企業の生命線とも言える存在なのです。

もちろん、社運を握るほど優秀なエンジニアは極々少数です。その少数のエンジニアを、数千と言われる国内のIT企業が争奪戦を繰り広げているのです。

「エンジニアが足りない?」となると、人事部が採る手段は当然のことながら募集広告を打つこと。転職サイトへの掲載、転職エージェントへ案件を登録したり、場合によってはハローワークへ求人の申し込みをしに行くのが常套手段だと思われます。

きっとエンジニアに限らず、営業職も事務職も同じように募集の手続きを進めることは想像に難くありません。それだけ費用と労力、そして時間がかさみます。しかし、残念ながらこのやり方では優秀なエンジニアはまず応募してくることはありません。

厳しい言い方をするならば、この採用方法では一兵卒の頭数を揃えるくらいしかできないでしょう。本当に優秀なエンジニアは、いざ転職しようと思ったら同業の知人同士のコミュニティの中で紹介を受けたり、ヘッドハンティングによって次の職場を決めてしまうのです。

たまたま高スキルのエンジニアが応募してきても、人事部にその能力を見極めることを期待するのは酷と言えるのではないでしょうか。

優秀なITエンジニアを採用するための募集方法とは

転職市場に登場しない優秀なITエンジニアを採用するためには、IT部門が採用に積極的に介入する必要があります。事情に精通していなければ、職務経歴書に記された経歴の詳細や「スキルがひと目で分かる」と言われているコードについてもどれだけの価値を持つのかも分かりません。

それこそ人事部に丸投げしていてはならない最重要項目なのです。IT部門が採用に関与することで応募者の取りこぼしを防ぐことができ、同業の知人同士のコミュニティからの情報も入ってきます。さらに、どういったスキルの人材が欲しいかなどの条件が明確になっているので、採用のミスマッチも防ぐことが可能となります。

この段階になってはじめて争奪戦に参戦することができるのです。また、優秀なエンジニアの心の琴線に触れるような職場環境の整備も急務です。

先にも述べたようにエンジニアの多くはひとクセもふたクセもある職人気質のマニアックな人物ですから、彼らの知的好奇心や探究心を刺激し、かつ、これまで探求してきた技術を存分に生かすことができ、十分に力を発揮できる開発環境を訴求することが重要です。

IT企業の成否を決めるのは優秀なエンジニアを集められるかどうかにかかっています。それゆえにエンジニアの採用にはエンジニア自身が関わることが妥当なのです。

最後に確認して欲しいポイント

成長を遂げるIT業界の活況とは対照的に、それを担うエンジニアの不足は折からの少子高齢化と若者の「理系離れ」が相まってますます深刻の度を増していくと思われます。この事態を解決するためには、就学者へのIT教育の充実や外国人エンジニアの採用など、国を巻き込んだ長期に渡る取り組みが不可欠となります。

しかし、そんな悠長なことは言っていられないのが現実です。ならば数千社にもわたるIT企業との争奪戦を制し優秀なエンジニアを採用することこそが最高にして最良の生き残り策なのです。

まずは人事部主導の採用にメスを入れ、ITエンジニアの現場に精通した人を必ず採用プロセスに組み入れることから始めて下さい。「善は急げ」です。

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