ITエンジニアがキャリアを真剣に考えることで見えてくるもの

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エンジニア スキル 一覧

誰しもが同じスタートラインに立っていた筈なのに、気付いた頃には大きな差がついてしまっている例は枚挙に暇がありません。

出世街道をひた走る人が突出した才能の持ち主であったり、上司の心を掴んで離さない特殊能力があれば納得がいくでしょうが、それ以外の要素でいったい何がその差を生んでしまうのでしょうか?

それはどうやら、エンジニアが直面する「キャリアの壁」に対してどのような姿勢で臨んだかが、その後のキャリアを決する分岐点となっているようです。

テレビドラマで、出世の道を投げ捨て現場主義にこだわる刑事や教師が、味のある役者さんが演じていてちょっと格好良かったりするのですが、こうした場合には必ずと言って良いほど過去の暗い影を背負っており、キャリアの成功を掴んだとは言えない設定となっています。

この生き方が必ずしも悪い訳ではありませんが、将来的に自分がどうありたいのか、というキャリアについて真剣に考えることはエンジニアとしての生き様にも、自身のライフプランにも大きくかかわるとても大切なものであることを忘れてはなりません。

ITエンジニアはプログラムと葛藤する職人のイメージが先行しがちですが、そんな彼らでさえも会社の評価制度とは無関係ではいられないのです。

ITエンジニアだからこそ考えたいキャリア

エンジニアとしての第一歩を踏み出すころには、タダでさえ覚えなければならないことが多いのにもかかわらず、社会の荒波に揉まれ、日々の仕事で精一杯というのが実情ではないでしょうか。

学校で学んできた基礎や理論が、まったく役に立っていないとは言わないまでも、いざ実務となると異次元の世界。前向きなITエンジニアならば、奥が深く、よりエキサイティングでドラスティックな変化の起こる毎日に、アップアップしながらも、ワクワクドキドキしながら仕事に打ち込んでいる人が多いかと思います。

入社直後は、このように「突っ走る」ことが大事であることに異論を挟む人はいないと思います。他の学問やスポーツと同様に、思い切り打ちこんで初めて達する境地や、成長があるからです。

しかし、これからエンジニアを生業として生きていこうと思うのなら、ただ闇雲に「突っ走る」だけでは、いつまで経ってもキャリアをステップアップさせることはできません。突っ走った先の自分が、3年後、5年後、10年後に何をしているのか、どうありたいのかを意識するのとしないのとでは後々に大きな差が表れてくるのです。

商品のライフサイクルが驚くほど短く、流行り廃りが激しいIT業界など、10年先がどうなっているかなど想像することさえ難しいかも知れませんが、先輩や上司の姿を目標にも反面教師にもしつつ、自分自身がエンジニアとして目指す「あるべき姿」を追いかけることで自ずとスキルも伴い、キャリアは開けてくるでしょう。

もし、10年先も目の前の仕事に追われているとしたら、その分野の高い技術と深い造詣は身に付いているかも知れませんが、「それしかできない」、結果としてキャリアとは無縁でスキルの伴わないエンジニアに成り下がってしまうことでしょう。

エンジニアの評価制度について

エンジニアとして生きていくためには、日々進化するテクノロジーに追いつくべく研鑽努力を続けなければなりません。できることなら新人のうちに学び続けることが苦でなくなるよう習慣付けるべきです。

その上で、個人として、組織としての目標を達成し成果を上げていくことがエンジニアとしての評価へと直結します。個人としては毎回チャレンジングな目標を課し、自身の目標達成への道筋が組織目標達成に貢献すること、その繰り返しが、昇格の機会へとつながっていくのです。

昇格のチャンスとあれば、適切なアピールをお忘れなく。「努力は誰かが必ず見ていてくれる」という言葉を心情としては信じたいですが、現実には「見てくれていない」ことがほとんどです。ならば、こちらからアピールするのみです。決して臆することではないのです。

エンジニアが直面する「キャリアの壁」

中堅どころのエンジニアとして知識も技術も向上し、ある程度のプロジェクトの経験も積んでくるとこの分野における成長曲線のカーブが鈍化してくることを感じます。

この間、成長曲線の急上昇カーブにいる後輩との差は瞬く間に縮まり、焦ったり危機感を募らせる人も少なくないはずです。

それもそのはず、「仕事で成果を出す」ことに焦点を当てれば、今携わっている分野でこれ以上深い知識や高い技術までは要求されていなかったり、一念発起して新しいプログラム言語を次々とマスターして、いわゆる「スーパーマルチリンガル」になったところで、半年で使う言語などせいぜい3つが限界です。

何か新しいことにチャレンジしても半年というスパンはあまりに短過ぎ、いくらもがいても現状のままではキャリアが停滞してしまう「キャリアの壁」に直面するのです。

このキャリアの壁を乗り越え、知識や技術その成果以外でキャリアアップを図っていくための手段は、周囲の人やサービスに影響を与える仕事を進んで行うことではないでしょうか。

例えば、タスク管理や部署間や外部との折衝を行うマネージャーのような仕事、もしくは、新人の適性を把握し一人前のエンジニアに鍛え上げていく育成担当者、会社の魅力を外部に伝えるエヴァンジェリストのような役割を担うなど、職人気質の生粋のエンジニアはやりたがらないけれども、エンジニアにしかその熱量を伝えることができない仕事があるはずです。

言い換えればこれまでは、ひとつの目標に向かって邁進するのが仕事だったけれども、更なる高みを目指すためには、今度は、「自分が目標になるような仕事を作りだす」役割を求められるようになるのです。この役割を果たしていくために求められる能力は、技術系以上にヒューマンスキルであることは言うまでもありません。

自分をアピールする術を磨き、受け身の姿勢を脱却

ただ、学歴が高く、スキルもかなりのレベルのものを持っているのにもかかわらず、長年派遣エンジニアに甘んじている人も残念ながら多数いるのも事実です。

派遣もひとつの働き方で一概に否定はできませんが、本来であれば上流工程でプロジェクトを動かすエンジニアになってもおかしくない才能ある人が案外多くいるのです。あるIT企業の経営者曰く、彼らと面談した際にその多くが「自己アピールが絶望的に下手」で、それは「受け身の姿勢」によって培われてしまった悪習ではないかと分析しています。

派遣で働く場合は、成果がどうあれ単価はさほど変わりませんし、自身の収入にも跳ね返ってくることはありません。その結果、言われたことくらいしか考えなくなって、仕事を無難にこなす習慣がついてしまったのかも知れません。

いくら才能があっても「受け身」になった瞬間にキャリアアップの可能性は一気に萎んでいくのです。エンジニアとしてキャリアアップを目指すならまずは「受け身」ではなく主体的に仕事に取り組むこと、そして主体的な取り組みから自分の強みやアピールポイントが見えてくるのです。

最後に確認して欲しいポイント

ここまでエンジニアを生業としていくならば絶対に避けられないキャリアについて述べてきました。今日、明日の目の前の仕事も大切ですが、自分が将来エンジニアとして「どうありたいのか」という理想と「あるべき姿」を常に意識し続けることも同じくらいに大切になってきます。

遠い先の話かも知れませんが、第一線を退くときに決して後悔することのない「エンジニア人生」を歩むためにもキャリアについて真剣に考えてみてください。

 

 

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