SES契約(技術者派遣)ITエンジニアのメリット・デメリット

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技術者派遣

21世紀に入って広く普及したIT技術は、これまでの働き方やライフスタイルをまさに「革命」と呼ぶに相応しい大きな変革をもたらしました。

今やITは、それなくしては企業活動が成り立たなくなるほどに浸透し、絶対に欠くことのできないものとなりました。

とはいえ、ITを大いに活用している企業が、自前のエンジニアを揃えシステム開発を行っているわけではありません。ITを本業としている企業や一部の大企業を除いては、外部のITエンジニアがまるでそこの社員であるかのようにどっぷりと浸かって業務を行っているのが現状です。

そこには、自前でIT部門を立ち上げてエンジニアを抱える負担とリスクを回避したい企業と、自社のシステムや労働力を売り込みたいIT企業の利害の一致を見て取ることができます。

皆さんの会社にもきっといるITエンジニアは、SES契約(システム・エンジニアリング・サービス)もしくは派遣契約によって他社からやってきた人であることも多いです。まずは本題に入る前にSES契約と派遣契約の違いについてご紹介します。

SESと派遣の違いについて

SES契約とはシステム・エンジニアリング・サービスの略で、ソフトウェアやシステム開発・運用等における委託契約の一種で基本的に移動はなく、客先に常駐して技術提供を行う働き方のことを言います。

一方、派遣契約は、原則特定のプロジェクトの完遂のために企業に派遣され、プロジェクト単位で終了の場合が多いです。

実際行っている仕事はSESも派遣もあまり変わらないことが多いのですが、SES契約におけるITエンジニアは受注側(自社)の社員であり、発注側(客先)の企業に指揮命令等をする権限はありません。

一方、派遣契約の場合、指揮命令等の権限は発注側の企業にあります。また、SES契約の場合は、技術提供に対して代金が支払われるのに対し、派遣契約の場合は、プロジェクトによって完成したシステム等に対して代金が支払われます。

これがSES契約と派遣契約の大きな違いです。

SES契約におけるITエンジニアのメリット

SES契約を結んで客先に常駐して働く場合のメリットを挙げてみましょう。

まず第一に挙げられるのは、客先の事情によって様々なシステム開発の案件に携われますので、エンジニアとしてのスキルアップが図れることではないでしょうか。

また、顧客あってのシステム開発のため常駐先で様々な企業の文化に触れるのもヒューマンスキルを深める絶好の機会となるのではないでしょうか。また、派遣契約が、プロジェクト終了やスキル不足が露呈した場合に打ち切られてしまうのに対してSES契約は受注側の正社員という揺るがぬ身分がありますので、安心して働くことができるのも大きなメリットでしょう。

また、発注側の企業にも自前で人材を採用、育成しなくても必要なスキルを持ったエンジニアを確保できるため経費削減に大きく貢献できるメリットも見逃せません。また、企業内で自前でIT関連の人材を育成するにしてもそれ相応のリスクを伴いことから二の足を踏んでしまっていた企業にとってはまさに渡りに船と言えるでしょう。

受注側の企業にしても、SES契約は、ある特定の仕事を完成させる義務は生じませんので大きな責任を生じさせずに中間マージンを得ることができます。SES契約は、発注側の企業、受注側の企業双方にとってメリットの大きい仕組みなのです。

SES契約におけるITエンジニアのデメリット

企業側にとっては重宝されるSES契約も、ITエンジニアからすれば過酷な条件を突きつけられていることが多いのが現状です。まず第一に挙げられるのが、賃金の低さです。

時間単価で契約している場合が多く、時間単価から計算して月の賃金を確定するわけですが、一般的な派遣社員よりも低く設定されていることがほとんどで、例え特筆した事績を挙げたとしても賃金に大きな影響が及ぶことはありません。

受注側の企業の正社員と言う安定した身分はあるものの、賃金の低さは非常に悩ましいところです。また、案件によって勤務先が変わりますので、その都度適応しなければなりません。もちろんこれは経験値としてメリットがあるものの、環境適応はITエンジニアに限らず大きなストレスを伴うものです。

また、実際に仕事を行うのは発注側(客先)の企業となりますし、そこに常駐しているわけですから、当然のことながら直接的に貢献するのは発注側の企業です。本籍である受注側の企業へは間接的に貢献する形になりますが、この状態では実際に所属している企業へのロイヤリティが薄れてしまう恐れもあります。

その結果、受注側の企業は社内でのノウハウの構築が難しくなるほか、SES契約によって客先で腕を上げたITエンジニアをつなぎ止めるのが困難となるなどの問題が生じています。

それでも、人件費を抑えられるという発注側の企業のメリットは捨てがたく、需要が途切れることがないという理由からこれらのデメリットを覚悟の上でこの形態を続けているという事情もあるのです。

SES業界のこれから

IT技術は企業経営の根幹をなすほど重要視されるべき事柄であるにもかかわらず、企業側にノウハウがないがために外部から連れてきたエンジニアをあてがい、結果としてリスク回避と人件費抑制につなげているという現状があります。

企業側からすればできることなら自社でエンジニアを育成し自前でシステム開発を行いたいのが本音でしょうが、今どきそこまでのリスクを冒す余裕のある企業は限られています。従って、SES業界はこれからも引き続き安定して需要のある状態が続くと思われます。

このように、SES契約は「お金を出したくない」企業側の論理によって成り立っている側面もあるだけに、実際に働くエンジニアの賃金はかなり抑えられたものになります。

SES契約で企業に常駐することにより様々な経験を積むことができるメリットは計り知れないものがありますが、いちITエンジニアとしての人生を考えたとき、SES契約のエンジニアの一般的に低い賃金と照らし合わせれば、これからやって来るであろう彼らのライフイベントに耐えうるものではなく、ダラダラと長く続けるものではないと考えます。

一定の期限を決めてITエンジニアとしてステップアップする、もしくはフリーランスとなることも視野に入れることをおススメします。

近年は、ITエンジニアの人手不足が顕著となっており、2020年の東京オリンピック開催に当たっては、セキュリティー等IT関連をつかさどるエンジニアが4万人不足していると言われています。

それだけにIT関連のスキルのある人材は極めて貴重で価値のある存在となりつつあります。ですので、SES契約にしても自身の単価を上げていく、もしくはフリーランスとなって「中抜き」のされない働き方を手に入れるなど、エンジニア側の努力いかんで解決できることも少なくないはずです。

最後に確認して欲しいポイント

ここまでSES契約におけるITエンジニアのメリット・デメリットについて述べてきました。IT産業が拡大を続けながらも成熟期に入り、同時に人手不足も深刻な問題となっている中で、ITエンジニアの働き方は今後大きく変貌を遂げる可能性もあります。

その中で、SES契約は、様々な企業に常駐し、多くの案件を経験できる点にいては大きなメリットではありますが、いろいろな事情と照らし合わせた場合、自身の目指すキャリア実現に向けてのステップアップのための機会と捉えて働く方が、そのメリットを十分に活かし切れると思われます。

 

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