ビッグデータ時代を担う、データベースエンジニアとは?

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データベースエンジニア

1990年、プロ野球ヤクルトの監督に就任した野村克也監督は、データを駆使した「ID野球」を掲げ当時Bクラスの常連だったスワローズを見事リーグ優勝に導きました。

当時のプロ野球はまだ卓越した才能とセンスを持つ選手たちの「勘ピューター」が優先されていた時代、決して選手層に恵まれているとは言えない球団がデータを武器に勝ち進んでいく様は、ある意味プロ野球界の「IT革命」であったのかも知れません。

現代は、戦略、戦術から選手育成に至るまでデータベースが活用されるようになり、プロ野球でさえもデータを駆使した情報戦を制するものが勝利を手にする時代となっています。

これと時を同じくしてインターネットや携帯電話の普及が始まり、大量の情報がより早く世界中を巡るようになると情報インフラも劇的な進化を遂げ、それらの情報がデータベースとして蓄積されるようになりました。

このように、データベースは進化を遂げる「高度情報化社会」の中核として重用されるに至り、私たちの日常生活にも不可欠なものとなっています。

そのデータベースの開発、管理、運用を担うのがデータベースエンジニアなのです。

データベースは全ての経済活動の生命線に

私たちの生活や企業活動においてデータベースを抜きにした生活は考えられません。データベースと考えると真っ先に思い浮かぶのが「顧客名簿」の類ですが、それは一昔前の話で、現在は、顧客情報はもちろんのこと、消費者の行動や購買活動、物流に至るまであるとあらゆるところでデータベースが活用されています。

すなわち、データベースは今や、私たちをとりまく全ての経済活動の生命線となっているのです。

ビッグデータ時代におけるデータベースの役割

多くの店舗が連携しているポイントカードは、ユーザーがポイント付与のメリットを享受できるだけでなく、その利用状況がデータベースに蓄積され、顧客の購買傾向の分析に活用されています。

そのデータベースは、男女別、年齢別、地域別、年収別等にセグメントされ、「勝つべくして勝つ」マーケティングに役立てられています。

ネットショッピングをすると何故か気になる商品の広告が表示されるのも、ビッグデータを活用したマーケティングの一環なのです。データベースの活用は、このような商業目的ばかりではありません。

医療や災害予測などに活かせば、データの蓄積しその傾向を分析することによって病気や災害の予防に繋げることができるのです。

IoTの実現がデータベースの進化を加速

2016年はIoT(モノのインターネット)が黎明期を迎えると言われています。今後はパソコンやモバイル端末だけでなく、インターネットを装備した全てのモノからデータが蓄積されていきます。

そうすると、これまで以上に膨大な情報が集まるようになり、それに耐えうるインフラの整備と並行して、集めたデータをどのように有効活用していくかが問われます。最近、マスコミを賑わせている情報セキュリティーの強化も急を要する重大な問題となっています。

データベースエンジニアという仕事

先に述べたように、全ての経済活動の生命線となるデータベースを扱うデータベースエンジニアはシステムの構築・運用はもちろんのこと、そのデータを分析し企業の経営戦略に活かす応用力や発想力など幅広い知識とスキルが求められます。

データベースエンジニアは担当する業務内容から3つの職種に分類されます。

業務内容による3分類

ソフトウェアエンジニア

OracleやMicrosoft SQL Serverなどのデータベースの扱いに長け、顧客の要求を満足させる最適なデータベースの開発・設計を行うエンジニア。

ハードウェアエンジニア

データベースシステムに関わるインフラを開発および管理し、データを保存するストレージ・サーバー等の最適化や使用効率の最大化を図るエンジニア。

運用系エンジニア

稼働中のデータベースの運用や保守、外部の攻撃からの防御の設定やアクセス権の管理などといったセキュリティー関連規則の設計、データのバックアップなどを行うエンジニア。

必要なスキルと適性

OracleやMySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなど、圧倒的なシェアを占めているデータベースの知識は絶対条件で、プログラマーやシステムエンジニアの実務経験、すなわちシステムの全容から細部に至るまでのプロセスを熟知した人材が重用される傾向にあります。

近年は、ビッグデータなど、取り扱うデータベースが質、量ともに膨大となっているため、必要なデータを使って必要な施策を提案することのできる分析、応用力も求められています。

データベースエンジニア向けの資格

弁護士や公認会計士などの「士業」とは異なり、他のITエンジニアと同様、データベースエンジニアになるのに特別な資格は必要ありません。

しかしながら、資格取得を目指すことは、学習のモチベーションを保ち、いざ実務に就くにあたっても基本的な考え方が身に付いていますので、就職・転職活動の一環として有効な手段と言えるでしょう。

中には、採用条件として特定の資格が要求していたり、採用が決まるや否や資格取得を義務付けられる企業もありますので、就職、転職活動と並行して学習を進めておくことをおススメします。

本章では、データベースエンジニアを目指す人におススメの資格をご紹介します。

情報処理技術者試験

経済産業省が主催する国家資格で4種類にレベルが設定されています。IT業界を目指す、もしくは携わってるならば「ITパスポート試験(レベル1)」、「基本情報技術者試験(レベル2)」の資格もしくはそれに相当する知識やスキルは最低限持っていたいところです。

「応用情報技術者試験(レベル3)」までがシステムエンジニアの登竜門と位置付けられています。実際にデータベースエンジニアとして中心的な業務に関わるになら、レベル4の高度情報処理技術者試験のひとつである「データベーススペシャリスト試験」を目指してください。

試験の難易度はデータベースに関するものの中で最難関と言われており、平成27年度の合格率は17.6%の狭き門でとなっています。

オラクルマスター

オラクルマスターは、世界のデータベース市場においてトップシャアを誇る米国オラクル社の日本法人である日本オラクル社が定めるデータベース認定試験です。

オラクル社製品のデータベースを採用している企業が、採用条件として明示しているケースも多数見られます。オラクルマスターは、認定方法がデータベース管理者、アプリケーションサーバー管理者、開発者の3分野によって異なること、試験はコンピューターで行われその場で結果が分かることなどが挙げられます。

難易度はBronze、Silver、Gold、Premiumの順に上がり、Silver以降の認定を受けるとOracle Certification Programによる認定が自動的に付与され、世界的に通用する資格として認められます。

OSS-DB技術者認定試験

NPO法人エルピーアイジャパン(LPI-JAPAN)が主催するOSS-DB(オープンソース-データベース)技術者認定試験は、OSS-DBに関する技術力と知識を、公平かつ厳正に、中立的な立場で認定するIT技術者認定資格です。

認定制度には、「Silver」と「Gold」の2レベルがあり、相当のスキルを備えているIT技術者であることが認定されます。

OSS-DBに対するニーズはますます高まっている一方、技術者が足りない状況が続いており、データベースエンジニアとしてOSS-DBに関する知識とスキルを担保するOSS-DB技術者認定試験は、今後注目を集める資格と言えるでしょう。

最後に確認して欲しいポイント!

ビッグデータ時代の到来を受け、データベースエンジニアはITエンジニアの中でも最重要な職種のひとつと言うことができます。

しかし、データベースエンジニアの需要増とは裏腹に人材不足が深刻なのもこの職種の特徴でもあります。IT業界を志すエンジニアの卵の皆さんに、少しでもデータベースエンジニアの仕事と社会的意義を知ってもらい、「目指したい」人が現れれば幸いです。

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